どんな学生生活を送っていましたか。
大学時代は研究三昧でしたね。せっかく京都大学に来たからには、そのアセットを使って何かしたいと思い、3年生が始まる少し前から教授に自ら頼み込んで、研究を始めました。そのままできるところまでやってみようと思って大学院に進学し、その当時は海外で研究者として生きていこうという気持ちを固めていたんです。
ただ、実験は好きなんですけど論文を書くのは好きになれなかったんです。アカデミックな世界は色々煩雑で、60年後の世界が動くことを今やってると思ったら、「自分は死ぬまで評価されないかも」と、進みが遅いことにやきもきしていました。
そんな時、友人にレバレジーズのサマーインターンに誘われて、帰国したタイミングで試しに参加してみました。そうしたら、そこで僕らの提案したM&A事業が、本当に事業化されたんです。研究の世界とは動きの速さが全然違くて、「もしかしたらビジネスで世の中を変えた方がスリリングなんじゃないか」と惹かれ始め、食わず嫌いしていた就職活動を始めました。
レバレジーズに入社を決めた理由を教えてください。
レバレジーズに入社を決めた理由は2つあります。
1つ目は、文化祭前夜のような働き方ができると思ったからです。僕の中で、仕事とは40年間付き合わなくてはいけない強制力のあるものというイメージだったのですが、レバレジーズの社員はみんなすごく楽しそうに仕事をしていて、仕事に対するイメージが変わりました。
2つ目は、丸腰のポテンシャルを見抜いてくれる会社だったからです。レバレジーズのサマーインターンに参加した当時の僕は、研究しかしてこなかったので3C分析も知らないような状態で、チームは優勝したものの自分は全く貢献出来ずに落ち込んでいました。それでも、執行役員の藤本が「美馬は絶対に伸びるから一緒に働きたい」といってくれたんです。丸腰だった僕のポテンシャルを評価してくれるところだったら、自分にでも意味ある仕事をさせてもらえるのではないかと思い、入社を決めました。
誰よりもユーザーのことを理解する
データ偏重でマーケティングする限界
入社後はどんな仕事をされてきたのですか。
初めはIT人材事業の広告運用を担当してたのですが、1年目の6月くらいに新しく立ち上げる海外メディア事業の打診がきました。ずっと新規事業をやりたいと言っていたので、広告で携われるなら非常にありがたいと思い、すぐに「やりたいです」と返事をしました。今は、IT人材事業と海外メディア事業を兼任し、両方の広告運用全般を担当しています。
具体的な仕事内容としては、市場調査と仮説立てを行い、デザイナーと一緒にクリエイティブを作り、配信した数字の管理はもちろん、広告のデータをもとに仮説検証を行います。広告は、システムのような理系要素と、デザインやコピーライティングのような文系要素を兼ね備えているので、文理両面の仕事ができるところに、職種としての面白さがあると思っています。
仕事をする上で大切にしていることは何ですか。
サービス利用者を深く理解するようにしています。なので、どんな仕事でも必ずユーザーや営業担当にヒアリングしています。僕たちの仕事は、良いサービスを作ってそれを困っている人に届けることです。いわゆる自社の数字や目標だけでなく、市場ではどんなことが起こっていて、今この人たちに何が待っているかをしっかり考えることは心がけています。それによって、施策の精度が見違えるほど変わってくるんです。
少し前はデータばかりみてる時もあったのですが、結果のグラフが跳ね上っているのを見てその瞬間は嬉しくても、なぜ上がったのかうまく説明できなかったんですよね。その時に、マーケティングの本質を見ていなかったことに気づいて、何をするにも意識的にユーザーに話を聞きに行くようになりました。
初めてのユーザーインタビューで、ユーザーの方が「本当にこのサービスいいよね」という話を1時間半くらいしてくれた時は、すごく感動しましたね。自分が嘘なく伝えたことをしっかり受け取ってくれて、これだけ好きでいてくれる人がいることが、すごく嬉しかったです。
市場を解き明かすプロセスにこそ意味がある
誰もやったことがないことを考えれば、仕事を面白くできる
今後の目標を教えてください。
今の仕事が本当に面白いので、これからのことはあまり考えていない幸せな状態です。(笑)強いて言うなら、僕は自分の担当しているサービスが大好きなので、ユーザーだけでなく、社内の人ももっと好きになれるようなサービスにして行きたいですね。IT業界の仕事のスキームまで変えられるような、もっと面白いサービスにしていけると思っています。
僕は浮き球発見能力と、それを取りに行く能力があると思っていて、これまでも誰もやらないことをやってきました。周りからしたら「何しているんだろう」と思うことでも、ユーザーや市場に対して意味があることであれば、何年かかってもやったほうがいいと思っています。
誰も知らないそのプロセスにこそ意味があって、「その間に僕は市場を解き明かしてるんだ!(笑)」みたいなところは、研究と似ているかもしれないですね。自分しか知らない情報をしっかり握って、それをどう使おうか考えている時が、最高に楽しくて面白いんです。そうやっていくことで、自分の仕事を面白くしていけると思っています。