岩槻 知秀 | いわつき ともひで |
レバレジーズ株式会社 代表
1980年生まれ、大阪府和泉市出身。早稲田大学社会学部入学後、大学1年時からIT企業にて経験を積む。2005年大学卒業と同時にレバレジーズを創業し、現在に至る。「最も付加価値が高く、競争優位性の高い企業になる」というビジョンのもと、創業18年にして年商1,068億円規模の売上を実現。「働きがいのある会社ランキング2024」大規模部門で第9位を受賞。
今後10~20年の間に約47%の仕事がロボットやAIによって淘汰されるという衝撃的な数字がオックスフォード大学から発表されています。またTPPによって労働力の規制が緩和され、国際的な雇用の流動化が進めば、参加各国の生産年齢人口の約10%が移民に置き換わるとも言われています。
もちろん既存の法制度や政治・社会情勢などから全てが計算通りになるとは思いませんが、特定の労働者に対しては潜在的な脅威であることに違いありません。とりわけ労働力の代替が進みやすいのは、クリエイティビティに乏しい画一的な仕事や付加価値の少ない単調な作業です。
働く環境でいえば、成熟・衰退期に入った企業や、社内の変動が少ない組織では若い社員がクリエイティブな仕事を任される機会は乏しく、定型的な仕事を指示通りこなすことになりがちです。まさにそういった仕事こそ代替される可能性が高く、選択する環境によっては20代の貴重な成長機会を失うことになりかねません。
では、個人の働き方という視点で、今後どのような仕事が残っていくのかを考えてみます。
一つは「創造的知性を活かす仕事」です。新しい市場の創造・イノベーション・過去の統計によらないクリエイティブの作成など、創造的な思考力を駆使しながら付加価値を生み出す仕事は、ロボットやAIが進化しても簡単に代替されるものではありません。
もう一つ残るのは「人の感情を動かす仕事」です。例えば営業の仕事に象徴されるような、人の感情やモチベーションを動かすような仕事も残っていくでしょう。ロボットやAIはインプットからアウトプットを導くような分析は得意ですが、人間の機微に合わせた的確な表現に強みはありません。営業にはクリエイティビティも求められますし、一朝一夕には替えの利かないスキルだと思います。
創造的知性を活かすことと人の感情を動かすこと。個々の志向性や関心、相性などもあると思いますので、それらを踏まえて自らの力がより発揮できるベクトルを選んでいけば良いでしょう。
レバレジーズグループの「人」に対する考え方は、これからロボットやAIの登場、移民の流入といった変化の波の中でも勝ち抜ける人材を育てたい思いが強く、理念に掲げる「個の成長」を重視して、長期的な視点で人が育つ環境を大切にしています。というのも、レバレジーズが創業から18年で大きな成長を遂げることができた理由は「人」にあると考えているからです。